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情報収集

麗彪(よしとら)side】 「期限まであと3日・・・お前ら情報は手に入れたんだろうな」 「それが・・・なかなか手強くて」 「俺は別の方から攻めましたが、口を割りませんでした」 「私も、今回の仕事は手こずっています」 「ちょっとぉ、あんたたちで無理ならあたしなんて絶対無理じゃない。麗彪くんはどぉなのよぉ」 「・・・ち、5人とも駄目か。このままじゃ動くに動けねぇ」 俺と駿河(するが)時任(ときとう)片桐(かたぎり)にカンナは、真夜中のリビングで頭を抱えていた。 情報が手に入らなければ誰も動けない。 ターゲットに一番近い俺ですら何の情報も得られていないのは痛い、痛過ぎる。 逆に、普段あまり会う機会がない割に懐いている片桐には話すかと思ったが、空振りに終わったようだ。 「・・・くそ、このままクリスマスになってみろ、15年分のプレゼントがなけりゃ、お前らを待つのは死だ!」 「何でもかんでも買い与え過ぎなのよっ!何が欲しいのって聞いても、だいたい持ってるから美月(みつき)ちゃんが困っちゃうんじゃないっ!あんたが悪いわっ!」 「そうですね、気持ちは痛い程解りますが甘やかし過ぎかと」 「美月を一番甘やかしてるのは麗彪さんですよ」 「じゃ、麗彪さんが悪いですね~」 ・・・俺が悪いのかよ。 仕方ねぇだろ、今まで何も与えられず閉じ込められ虐待を受けてきた美月に何でもしてやりたいと思うのは当然だろうが・・・! 「俺は悪くない」 「じゃあ美月くんが悪いんですか?」 「俺が悪い」 そうか、何でもかんでも買い与え過ぎなのか。 ・・・じゃあ、まだ買ってない物にすりゃいいじゃねぇか。 「・・・時計・・・財布・・・車・・・バイク・・・船・・・家・・・いっそカードにするか・・・」 「それ、重過ぎるわよ。美月ちゃんがそんな物貰って喜ぶと思うの?」 ・・・喜びは、しないな。 美月が喜ぶクリスマスプレゼントが思い付かない・・・くそ、俺はこの程度の男なのか・・・。 「あげてない物じゃなくて、してあげてない事はどうです?」 「してやってない事・・・」 そうか・・・何が欲しいかじゃなくて、何をしたいか、何をして欲しいか・・・。 美月は何が見たい、何が聴きたい、どこへ行きたい・・・? 「・・・朝、起きたら聞いてみる」 上手く聞き出せるだろうか・・・。 聞き出せさえすれば、この5人で必ず実現出来るはずだ。 取り敢えずこの場は解散とし、明晩再度集まる事にした。

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