キャラが勝手に動き出す
「その恋の向こう側」第900話 記念スピンオフ作品
「おとなりのかぼすさん」
第25話 イカ明太チーズ以下の僕
https://fujossy.jp/books/17795/stories/352139
「掌編」も更新しました。
第129話 まるで世界の終わり
https://fujossy.jp/books/4768/stories/352021
第130話 left-handed
https://fujossy.jp/books/4768/stories/352026
第131話 僕らは臆病だった
https://fujossy.jp/books/4768/stories/352031
小説や漫画、アニメ・映画等の創作物を愛好する人はたくさんいても、自分自身が創作する(そして発表する)人はごく少数派……という話をTwitterで時折目にします。
「DKが二人並んで歩いていたら短編一本書けるだけの妄想が働く」は、創作者同士ではあるあるだけど、創らない方はそうでもない、ということを最近知りました。最近かい。
「創作を楽しんでいる」点では同じなのに、創る人と読む(専門の)人とは何が違うのだろう、とつらつらと考えてみたところ、おそらく視点のベクトルがちゃうねんな?という結論に至りました。
たとえば、我が子を殺してしまう親がいる。いきなりヘビーな例で申し訳ないが例として。
そのニュースを見た反応には、
「信じられない。子供って可愛いのに。ましてや我が子を手にかけるなんて、どうしてそんなことができるの?」
といったものがあるでしょう。至極真っ当な感覚だと思います。
この時、「私ならそんなことしない」「こんなことする人は厳罰に処すべき」が結論になるタイプと、その感覚を保ちつつ「その人ならそんなことをする」というほうにシフトするタイプがいるんじゃないかと思うのです。
「自分がしない選択肢を選ぶ人」がいるのは当たり前です。私がコーヒーを選ぶ場面でオレンジジュースを選ぶ人はいます。当たり前です。
私は人を「殺さない」けれど、「殺す」選択をする人はいるのです。私がその存在を信じようが信じまいが。それも当たり前です。(ただし、こういう行動については、社会規範というものがありますので、「当たり前」と言ってしまうことには抵抗を感じるでしょうが)
お話を書くというのは、「この人は何故オレンジジュースを選んだのかしら」「この人は何故我が子を手にかけたのかしら」を探る作業でもあります。もっと言うと、「何故私はコーヒーを選ぶのか」「何故私は我が子を殺さないのか」でもあります。実際、自分の行動の理由なんていちいち考えてないので、すらっと説明できることは稀です。他者との比較をもって、その答えを考えるのです。
私は和樹と同じ立場に立たされたとき、和樹と同じ行動はとりません。涼矢についてもそうです。かぼすさんにしても麗樹にしてもそうです。同性のエミリや佐江子の立場だったとしても、私は彼女たちと同じようには行動しませんし、彼女たちのようなセリフは言いません。
彼らは決して「私の分身」ではないのです。分かりやすいのは「哲」だと思いますが、彼は機能不全家族の中で育ったアダルト・チルドレンで、その自覚もある聡明な若者です。私の生い立ちとは大きく異なり、倫理観も性指向もまるで違います。
彼のしたことや考え方を「信じられない」「理解できない」と感じる方もいるでしょう。
でも、彼は「その選択をする人」なんです。常に愛情に飢えて自傷し、人を試すのは彼の生育環境と生来の気質からしたら「当たり前の選択肢」だった。それをどう書けば読者に響くよう、説得力を持たせることができるのか、というのが彼にまつわるストーリーとなります。
創作者が言う「キャラが勝手に動き出す」のは、そういう説得力を得たときだと思います。
「私ではない誰か」が、「私とは違う”当たり前”」の中で生きている。そう感じられたら、彼ら彼女らは文字通り「勝手に動き出す」のです。少なくとも私の場合はそうです。
-------------------
電子書籍のご案内
☆Kindle版には限定の番外編を収録。
「丘の上洋菓子店」
https://amzn.to/35JLZOy
あまり売れてないのでよろしくお願いします。
☆実兄弟の闇BL。
「往きゆきてカサンドラ」
Kindle store(Unlimitedご利用の方は無料で読めます)
https://amzn.to/2IrHVrd
※5/3 表紙を差し変えました。既にダウンロード済みで更新されていない方は手動での更新をお願いします。ASINは「B085MBFCXW」です。
あまり売れてないので
☆カサンドラで心が荒んだら優しいヒーロー達のお話もどうぞ。
「恋するハソラン」表紙イラスト:hal様
Kindle store(Unlimitedご利用の方は無料で読めます)
https://amzn.to/2wTjAZ7
あまり売れ
☆こちらは商業書籍となります。オメガバース×近未来SF。
「キマイラの告解」表紙イラスト:fum☆様
https://amzn.to/2TixcEv
印税の支払い基準に至る部数には遠く及んでいないのでよろしくお願いします
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
☆Twitter
https://twitter.com/towa_coy
お気軽にからんでください。
☆pixiv
https://www.pixiv.net/member_illust.php?id=31334215
※R18作品オンリー