「幸福論」第三章(二十)所有物

 日付が変わって昨日……。

 実家に寄るついでに、段ボール三箱分の本を持って帰って来ました。

 まだ整理は出来ていませんが、これでこの子達は捨てられないと一安心です。

 でも、まだ実家には本がたくさんあるのですよ。

 まあ、今の家には、そんなに本を置く場所があるわけではないので、悩ましい限りです。

 

「第二十話」

 幸が沢井を縋るように見ていた事に、多田は気付いていた。

 自分の所有物である幸が、他に心を移す事など、多田に許せる筈もない。

 

――第三章(冒頭)――
 日下は、金を稼ぐ為に、密売組織で働く事になった。
 仕事は金庫の鍵を開けるというものだ。
 しかし、一回仕事をしただけで、怖くなって連絡が来ても無視を決め込んでいた。
 そこへ、業を煮やした多田が日下の元を訪れる。
 すると、そこには綺麗な顔をした少年、幸がいて……。

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