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〜白髪の獣人〜

すると、やっと、俺の視界に白く輝く獣人の姿が目に入って来た。 その獣人は体の色々な箇所から血を流しているようで、岩場の上で横たわっている。 それを見た途端、俺は今まで警戒していたのだが、その場まで走って向かうのだった。 「ど、どうしたんですか!?」 その獣人が海の国の獣人とか陸の国の獣人とかその時の俺は何も考えてなかったのであろう。怪我をしていて、助ける方が上だったのかもしれない。 だが、その獣人は、ただただ荒い呼吸を繰り返しているだけで、喋れる気配では無さそうだ。 俺はいつも鞄に入れている包帯とかを出すと、とりあえず応急処置程度はしておく。 しかし、その獣人は服を捲ると本当にありとあらゆる所に傷を負っていた。 この平和な国で、こんなにも怪我をするなんて、この獣人に何があったのであろうか? そして、俺は岩場の上の方から流れ出ている山水を手で掬うとその獣人の口元へと運んで行く。 すると、その獣人は薄っすらと瞳を開けて、俺に向かって微笑んできたようにも思える。 だが、まだ、喋るようにまで復活出来た訳ではない。 でも、とりあえず、生きているのは確かだ。 そこに安堵する俺。 どうやら、何とか俺の処置が間に合ったらしい? でも、一体、この獣人は誰なんだろうか? 安堵すると、湧き上がって来たのはその疑問だ。 絶対に俺の記憶が正しければ少なくとも陸の国の獣人ではない筈だ。 俺はそこで思い出した事があった。 ついさっきまで怪我人の方が重要だったのだから、俺は無我夢中だったのだけど、どうにか生きているという事に安堵して頭も普通に働くようになってきたからなのかもしれない。 …白いオーラの獣人? それは、今まで俺が2回程見たことのある獣人だ。 1回目は城の自分の部屋から。2回目は自分が海で溺れた時に助けてくれたのがその白いオーラの獣人だった。 …もしかして!?その獣人!? 俺はもう一度その獣人に会って、俺が溺れた時に助けてくれたお礼も言いたかったし、ずっと、会ってみたかったと思っていた獣人だ。 …本当に…?まさか!? 俺はその獣人に近付きそっとその姿を見てみる。 すると、尻尾は尾ひれが付いていて、髪の色も白色だった。今は横たわっているから身長みたなのは分からないのだけど、多分、俺よりも断然高いのは分かる。 …やっぱり海の国の獣人か…。 俺は頭の中で検索してみたのだけど、何度考えても陸以外の獣人については分からない。 とりあえず、今はこの獣人の回復を待って話を聞くしかないのかもしれない。

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