580 / 630

「お前、あんな事してバレたらどうするんだ。 天下の零士様が暴力沙汰とか、ワイドショーのトップになるぞ」 「大丈夫。事務所が揉み消してくれるから」 「怖ぇーよ!」 ワイドショーのトップ、揉み消すとか、どんだけ力があるんだよ。 「くくっ。怖くないって。普段は皆、穏やかだけど、そういう時は一致団結、物凄い連携プレーを見せてくれる。一応、稼ぎ頭だから事務所には大事にされてるんだ。心配いらない」 「あんな奴、無視して良かったのに」 「我慢できなかった。あぁいう奴、嫌いだし」 怒ってくれてスッキリした。 「…………怒ってんの、初めて見た」 「あれは普通、誰でも怒る」 自分の事みたいに怒ってくれて、ちょっと感動した。庇ってくれてありがとう…… 『汚くない。綺麗だ』、そう言われて嬉しかった…… でも、なんとなく言葉が出ない。 「ごめんな。レキ。やっぱり、ケータイ、一緒に取りにいけば良かったな」 「別に。本当の事だし……」 思わず声が小さくなり、下を向く。 「…………お前は綺麗だよ」 「やめろよ。恥ずかしい奴だな!」 「照れんなって」 「照れてない!!」 「く、くく……じゃ、なんで顔赤いの?」 「この野郎。ゲーセンでコテンパにしてやる」 「ふ……はっ、ハハッ」 「……いつまで笑ってんだよ」 さっきまでの嫌な気分が嘘みたいだ。人に受け入れてもらう……って、こんなに心が楽になるのか。中学の親友に犯された日から、上辺ばかりで親しい友人を作らないようにしてたから…… 街角に溢れる零士のポスター。 本屋には何冊も表紙を飾った雑誌。 沢山の人を魅了するトップスターが俺に付き合って、ゲーセンに行く。 ………………本当に変な奴。 「俺が勝ったら、ヤッてる時の声、録音させて?」 零士がとんでもない事をぬかしてきた。 「は、はぁ!?させるわけねーだろ!」 「ふーん。自信ないんだ」 「…………なんだと?」 「自信あるなら勝負しろよ」 「お前、ゲーセンとか行かないだろ」 「うん。初めて」 「じゃ、俺が負けるわけねーだろ!!」 「ゲームは分かんないけど、スポーツは得意」 「…………この野郎、後悔させてやる」 「そうこなくっちゃ」 言い合ってるうちに、車は目的地に着いた。

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

春野と蒼の周りの恋物語
1リアクション
10話 / 6,311文字 / 60
2017/10/31 更新
友達が催眠術やひたいっていうから実験台になってあげたのに、エロ催眠で散々遊ばれる話。
123リアクション
36話 / 22,990文字 / 138
2018/7/8 更新
ハロウィンをあまり知らない真面目イケメンとツンデレ先輩(ちび)の攻防
256リアクション
10話 / 6,447文字 / 182
2018/10/4 更新
「誰があんたなんかと」本編で描かれなかった短編をこちらで。
217リアクション
14話 / 11,301文字 / 254
1/7 更新
R18/極道/幼馴染み/監禁/凌辱/美形攻め
109リアクション
6話 / 4,759文字 / 609
7/26 更新
ゴリラでオメガな僕は処女。気弱な僕には誰かと触れ合うことも出来ず、一人で迎える発情期の準備をしていた
159リアクション
2話 / 11,532文字 / 746
6/15 更新