21 / 28

episode 20 side 陽

隣にいてくれるリュカさんの手をそっと取る 「リュカさん、家族だって 僕に家族が増えていくの」 「ええ」 「りぃくんのことも孫って言ってくれました」 「ええ、当たり前です」 「そっかぁ…」 目を覆う膜がぱちんと割れて ぽろぽろと涙に変わって 嬉しさを乗せて出ていく 最近は涙腺が緩みっぱなしだ 「…リュカはね、才能に恵まれすぎたのか どこかに心を置いてきてしまったと 親でさえ思うほど 達観してて、冷静沈着で 上辺だけの表情しか見せない子だったわ 伊南のあのうるさいほどの明るさを 少しは持っていってくれればいいと 毎日のように思った… でも、陽くん、貴方がリュカを変えてくれた とても感謝しているの だからどうかリュカを見離さないであげてね」 「…卑屈だった僕を変えてくれたのが リュカさんで たくさんの明るい世界を見せてくれたのが リュカさんで これから先何があっても傍にいたいと 思えたのがリュカさんです こちらこそ、よろしくお願いします」 頭を下げた僕の頭をぽんぽんと 伊鶴さんが撫でてくれた 「なぁんか湿っぽいわ! ただでさえ日本はじめじめしているのに! 陽くん!今度ロスにいらっしゃい いいところたくさんあるから案内するわ! ニューヨークがいいなら プライベートジェットあるから 飛ばせばいいし…」 …伊南さんはクロエさんの息子なんだなと 確実にわかる瞬間だった 一瞬で場の雰囲気を変える力を持っている 「ご心配なく 陽が私もプライベートジェットくらい 所有していますので 陽が行きたいなら私が連れていきます」 「…ほーんと、誰に似たのかしら!? きっとお父様ね! 私たちのどちらかに似ればよかったものを… 伊鶴なんてほら、普段は しっかりしているのに たまにこう、甘えて「クロエ、黙りなさい」」 クロエさんと伊鶴さんのやりとりは リュカさんと伊南さんとまったく同じで 思わず笑ってしまった

ともだちにシェアしよう!

この小説を読んだ人におすすめの作品

〈R-18〉むかぁし、むかしの、その昔。けいやは桃色の妖怪と住んでいました。
3リアクション
10話 / 24,275文字 / 20
2018/2/5 更新
R18。新人社員×課長。リーマン。もう恋なんてしないつもりだったのに。
54リアクション
5話 / 9,447文字 / 273
2017/9/14 更新
主人公が参加した夏祭りの儀式が、少年が男に抱かれる儀式だった。体の関係から始まる年の差BL。
98リアクション
10話 / 57,574文字 / 0
2019/10/31 更新
ないないない!!鍵がないーっ!!!
334リアクション
11話 / 5,624文字 / 0
2019/11/30 更新
名家の次期当主×食客の学者。
62リアクション
8話 / 8,377文字 / 40
1/19 更新
35話 / 51,372文字 / 0
1/3 更新