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第1話

 W大学の情報工学部。  一応偏差値は60になっているけど、授業料が高く、裏口入学も多いと言われる学校。  物理は裏口だと、よっぽど努力しないとついていけないけど、情報はそこそこ勉強すれば、裏口入学でも卒業できてしまう。  僕は皇族も通う学校の出身で、推薦枠が余っていたので、大した試験もなく、学校名をありがたがられて受かってしまった。  けど、発作を起こすんだよな……。  6月。  僕は授業中に二回目の発作を起こしてしまった。  気が付くと、傍にいたのは、高校生の時に学級委員をしていたという大塚優也だけで、仲良くしていた竹内までもがOA教室の端っこに逃げて、恐々と僕を見ていた。  大塚以外、みんな部屋の端っこに逃げた。  ショックだ。  けど、分かる。  土気色の顔色をし、激しく呼吸を乱す僕に、周りは怖かった事だろう。  授業も、非常勤の講師ばかりで、どう対応したらいいか分からず、混乱していた。 「西田、良かった! 気が付いたんだね。あと少し意識が戻らなかったら、救急車を呼ぼうかと思ってた」  気が付いて最初に見たのは、愛らしい顔と、天使のような白い服をまとった大塚の姿。  僕の体は横向けられていた。  大塚が吐いた物を喉に詰まらせないように、横向きにしてくれたらしい。  ありがとうといけない場面だ。  けど、僕はそっけない返事をした。  どうせこいつは、宗教染みた慈愛の感情を持っていて、可哀想な奴には誰にでも優しいんだ。  騙されてはいけない。  騙されて、こいつがいないと生きていけないようになったら、彼が離れていった時、僕は地獄の苦しみを味わうだろう。  こんな奴に心を開くもんか!  僕は決心した。

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