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それも今宵で終わりにしよう…。
「慧“僕”はね、背中で護られている程、か弱くないよ。下らない感情に惑わされている不能な奴相手に、何、隙を与えているの?仮に、三神帝の殺戮神として育てられているなら、殺りなよ…」
すっと、漂わせた殺気に身を捩ろう雑魚。
平気なのは、その場の雰囲気に慣れている咽鬼や巫麒だけ。
「それに、巫麒。久しぶりに再会する兄に挨拶が無いとはなってないねぇ。“僕”…そんな風に教えたつもりないけど?」
「…っ」
「咽鬼と契りを交わした孫が許せないとか心狭いね、老い耄れは…。昔から、我慢出来ないの直ってないね…」
ぬけぬけと頂点の座に居るなら、少しは大人しくしてれば良いものを。
余程、四十年間が永い年月に感じられたのかな。逃げも隠れもしないというのに。
弟を使ったら“僕”が三神帝に戻って来る等と思っているなら、誤算だよ。
三神帝に戻る時は、貴様を骸にしてからだ。
異なる瞳に、炎が宿る。
これは、裏切り者に対しての怒りだと、彼は解っている。
嘗て“弟”だった男性まで、使ってまで。
父親を殺したいと、悟った隗斗は、ある計画を、頭に浮かべた。
そちらがそうなら…。
此方は、此方で。
一つの遊戯にしよう。
彼是、考えれば、三神帝の頂点の座を降りて、四百四十年という時が経つっている。
思わず、彼は、自嘲するのであった。
あの時は、成せなかった事も、もしかしたら…。
成せるかも知れない。
『何時か見た“奴”の顔も…思い出せるかも知れないのぅ』
“僕”は、嫌だけどな。
奴の顔など、一生思い出したくない。
そう、心の中で、悪態を、付ながら、巫麒を、見るのであった。
中性的な顔付きは、相変わらずと、言うべきか。
少し、年齢を重ねて、綺麗になったと、褒めてやりたい気持ちになった。
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