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初対面早々で“僕”を、苛つかせた男。馬鹿で、可愛い慧弥に惚れてしまった事が癪に障ったのは言うまでもない。 『初めまして、殺戮の桜…』 『他族は、敬意を示して呼ぶけど、はっきり言ってウザい。飾りでしかない名で呼ばれて嬉しい奴が居ると思う?』 唯一、“僕”は、彼に質問したんだっけ。 驚いた表情ぐらいしてくれれば、この先、文句を並べる事すら無かったのに。咽鬼は、口角を持ち上げ、余裕綽々な顔をした。 『私が敬意払う様に見えたなら、君の目は節穴だ…』 正直、喧嘩を売っていると思ったね。 『…ふふふ、ははははははっ』 ソナタも到底、馬鹿な男性。 慧弥の為だけに、彼を欲しいと思う欲求のあまりに…。 “僕”へ、当て付けたんだからさ。 水に油を注ぐ様な関係だと自負しているが、つくづく喰えない奴だよ。緋神帝 咽鬼。 だけど、ソナタ程、我が弟を、想ってくれる相手はいないだろうな。 天然な慧弥相手に…。 毎日、振り回される覚悟が、出来た証拠と、捉えよう。 でなければ“僕”は、ソナタを。 ー…殺している。 『隗兄様ぁ』 目に入れても、痛くない、可愛い弟だ。 嫁として、送ってやるのだから、有り難く、頂戴しておくのが、モットーだろう? 華やかな結婚式を、見れなかったのは、残念だけど。 同じ時間を、少しでも、味わえたのは…。 贅沢だ。 『“僕”の、可愛い慧に…変な虫がくっついた時は、バレない様に、完全犯罪を、遂行しようと、思っていたんだけど。これが…中々の喰わせ者で、昔の恋人の幼馴染みだから…笑わせる。糞爺を、殺すにあたり、必要不可欠かも知れない…』 『ほぉぉっ。それで、ソナタは、どうする』 『まぁ“僕”は、ソナタと、同じ行動を取るよ。推理戦は、何も、苦手とは、言っていない。時と、場所と、時間と…条件が揃えば、作動するのも、可能だ…』 『そうだねぇ。それが、揃えば、いけるかも知れないのぅ』 “蓮華”、それは、如何なる時も…。 同じだと、思うよ。

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