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では“蒼氷の薔薇”と、呼ばれている露草ちゃんは?ってなるけど、彼は、染まるに染まりきれていない新人さん。
赤黒い色を、生で、浴びた事すらない赤子同然。
自分色に、染めるのが近付いてきていると知るだけで、心が踊る。
「か、隗、一人笑いとか、薄気味悪いよ…」
「あぁ、ごめん」
露草ちゃんが、陥落した表情見たら、要らん思考が流れてきたもんだから、自分の世界へ飛んでいたや。
燐夜が、隣を歩いているのをすっかり忘れていた。水鬼帝では“緋神帝 隗斗”を演じなければいけないんだよな。
面倒な話だけど、事が動き始めるまでの辛抱と思えば安いもんだ。
傲慢、暴君な“三神帝 隗斗”を晒け出しては全てが水の泡。
計画とは、常に慎重に執り行わないと痛い目を見る。
良い子を、演じている子が、ミイラ取りが、ミイラになる状態。そんなヘマを、仕出かす訳にはいかないのが、俺の四百四十年経ててきた計画。
だけど、ね、三神帝の嫡男って所を隠せば、他は良い気がしてきた。
ごく、稀に、枷を外させようとする馬鹿共が、うじゃうじゃ居るんだよ。
特に…。
三神帝に、支えている家臣達は、外させるのが、得意だ。
それこそ…。
夕食を、放り投げて、殺したい程に。
今の、家臣達では、到底、無理だと、気付くは。
何時だろうか。
今宵くらいは…。
大人しくしていて欲しいものだ。
俺が、腕を振るう『シーフドカレー』は。
殺戮を、行った後に、味わう味じゃない。
普通に…。
家族と、味わう料理だ。
まぁ、腑抜けな者に、言っても仕方ない。
あ、そうだ。
後から、獅天に、お裾分けしよう。
折角だし、十五龍神率いる長様には、食べてもらわないと。
俺が、料理したと、言ったら『頼むから、天界に、天変地異を…起こすような真似はしないでくれ』と、言われそうだけど。
関係ない…。
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