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俺等が、知る世界は真っ赤に彩ろられた所。 平気で肉親すらも、殺れる外道一族。情けなど掛けたら自身を滅ぼす道具へ変わる。 殺戮神としてのモットーは人それぞれだが、必ず掲げている想いがあるんだ。 「巫麒、顔が恐いよ」 「…っ、すみません」 千綵と、視線が合う。 「慧弥だけは、手を掛けないと思っていた私の誤算だよ。咽鬼と隗の中で交わされた契約が其処に存在していたとは誰も知らなかったんだ。無論、老い耄れも驚きを隠せないだろうね…。実の弟を自らの手で殺した隗の行動を」 誰だって予想は出来ないさ。突然、目の前で広がった赤い海を映すまでは。 「そうですね。隗兄様が、緋神帝 咽鬼と、計画していたとなれば、誰も、検索すら、無理に等しい」 「えぇ…。俺は、それを…静かに、見守っているしか出来なかったんです…」 「無理もない。隗の術は、強力だ。早々、簡単に、解けないよ」 亡くなった者に、聞ける術があったら…。 聞けるのに。 しかしながら、亡くなった弟は、帰って来ない。 「既に、計画していたなんて、隗らしいと言えば、隗らしいか。咽鬼は、永遠のライバルだと、思っていたから、手を貸す事は、無いと、思っていたよ…」 「…」 永遠のライバルって、例の件だろうか。 黎斗と、妃膤は、冷や汗を垂らす。 亡き弟、つまり…。 黎斗にとっては、弟。 ー…妃膤にとっては、兄なのだが。 契りを交わす時に、一騒動があった。 思い返せば、緋神帝 咽鬼の長男である隗斗に対する嫌がらせ。 あれは、承認するまで、やり通すと、決めていた。 そいゆう表情を、見せた咽鬼。 あの男に、惚れた理由を聞けるのなら、聞きたいが。 よくよく考えれば、年齢的に、父親と、然程、変わらないだろうか。 緋神帝の者は、少し、年齢不詳な気がしてきた妃膤だった。

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