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諷夜さんが、父親だからとか関係なく、本人が生まれた持った感性。 水鬼帝の血を引く中では剣使いは最も燐兎と同レベルだろう。 「周りを欺けても、俺は欺けないよ。“蒼氷の薔薇”」 「嫌だなぁ…。隗に、肩書きで呼ばれるの…」 「案外、合ってる感じがする。普段の露草ちゃんは、自分の周りに誰も近付けないもんね。まるで、氷柱が其処に存在しているみたい。その、殺気だった雰囲気を察知してしまう能力がある者は賢く生きている」 にっこり微笑んでる様だけど、びしびし伝わってくるんだよね。 心の奥底に、眠る黒い塊が微かな反応を示しているのが。 この世の道理に掛けられている以上、掟は存在し、今だに『まだか』と待っている。何重という鎖をしているみたいにも感じられなくもない。 邪魔な感情すら無くなれば今すぐにでも飛び出してきそうだ。 露草ちゃん自身が、破らない様に封印しているせいで、心の扉を壊さないだけであって。 本来なら鎖を破壊していてもおかしくない黒い塊だよね。 奥底に飼っている獣は。 それ、俺は、よく、知っている。 ー…蓮華。 『覩梦の様だ…』 そうじゃないかと、思ったよ。 四百四十年前に、見た、あの男の様だ。 “僕”は、あれが、凄く、お気に入りだったのかも知れない。 だとすれば、この男は、それ以上に。 なんて、今頃、ラム酒を、飲みながら、呟いているかも。 まぁ…。 俺も、洋酒は、嫌いじゃないけど。 ラム酒で、磨き上げられる感覚って、多分、アレしか無いと、思うんだよね。 奈落…。 ソナタを鍛える為か、それとも、血桜を、鍛える為か。 どちらにせよ、蓮華の事だから…。 奈落を、鍛える方だったりしてね。 あくまで“僕”の考え。 それにしても、露草ちゃん、名前言われただけで、不機嫌丸出し。 これは…。 面白い事になりそうだ。 今宵は、美味しいお酒を、飲めそう。 たまには、闇華達を、誘って、血桜を、人形にして、酒を飲むのもアリだな。

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