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4ー3
鳴呼、ソナタ達みたく薄汚れた関係じゃないので普通の恋愛は出来てたよ。
『不潔よ!三神帝に甦生まれたんだから、掟を守りなさい』
なら、ソナタ達も守るべきだったんじゃないか?
三神帝の頂点に立つべき俺を、自分達の思い通りにしようと縛り付けた結果が不純物とは笑えてしまった。
散々、反対していた結末が忌み子とは。三流のシナリオだ。
「ちっ」
「―…隗?」
また、やってしまったようだ。
思考を過去へ飛ばしていると、醜い感情が蠢くらしい。今の表情は露草ちゃんも困惑してしまう程だったりするのだろう。
「あ、ごめん。露草ちゃんに対してじゃないから…。燐夜からも聞いていると思うけど、ごく稀に一人の世界へ意識を飛ばす時があるんだ」
「うん、聞いてはいるけど…。俺が居るのに一人の世界へ意識を飛ばすのは失礼だよね?隗…」
「…つ、次からは気を付けるよ!俺、用事を思い出したから行くね」
目が笑ってない彼から逃げる自分。
あのまま居たら、犯されるだけじゃ済まない。あれ、マジだった。
冗談のレベルじゃなかった…。
隠れ鬼畜には、気を付けないといけない。
たまに、本性が出てくるのが傷だったりする訳で。
諷夜さんの子ではあるけど、隔世遺伝まっしぐら…。
『奈兎と、同じ蒼い魂は、嘗ての覩梦の色をしている感じ』
水鬼神にしては、珍しい傾向だと、理解してはいるけど。
あれが、反応するのは、三神帝の血を引いている自分だと、納得出来る。
だけど、一つを抜かせば、まだ、未熟なのかも知れない。
糞老い耄れ爺が、欲しているのは、燐夜の叔父みたいな感じなんだろう。
残酷な結果を与えたとしても、それは、手に入らない代物。
「闇華達、忙しくなければ良いけど」
酒を飲んで、昔の記憶に浸るのもアリかも知れない。
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