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4ー5
ちょっとばかし、面白い事が起きそうな予感。
『ー…隗斗、何を始めようとしている?』
計画を実行する前に咽鬼が聞いてきた。『何を始めようとしている?』と首を傾げて質問するもんだから、ほほくそに笑った。
『緋神帝の主は携わらないんだけどな。これは、我が一族、三神帝の問題…』
『俺の妻は三神帝の四男坊だけど?お義兄様』
緋神帝は、一切関係無い問題。
俺は、単に、三神帝の頂点に居座り続ける老い耄れを筋書き通りに殺そうと実行しようとしていた。
『…気色悪い。鳴呼、吐き気がする。何で、こうも貴様は僕の腹を煮えただすっ!』
『面白いから』
『選べ!血桜の餌食になるのと、奈落の餌食になるの、どっちが良い?』
本人は冗談で言ったつもりかも知れないが、俺は本気で殺ってやろうと思った。
『ちょっ、隗斗…まて』
『問答無用!』
あの時は、慧達が留守だったから本来の口調に戻していたな。
「ふふっ」
滑稽な話だ。
三神帝に再び甦生まれるが為だけに、慧を利用したとは。もっと他の方法はあった筈。
なのに、あの瞬間は俺を誕生させられるのは慧だけだと思った。
三神帝の血族と交われば、道から削がれる事なく、大昔の掟を保てただろうか。
緋神帝の血を混ぜなければ、咽鬼も目を付けられずにすんだのだろうか。
『…はぁはぁ。マジに容赦無い。奈兎が生きていれば…止めてくれたのに』
『…』
『あっ』
『構わない。あの時は、燐兎が“謳櫻”を使うとは予想してなかったんだ。奈兎だって、従弟だからこそ捧げた命…』
鳴呼、彼奴は見かけによらず肉親想い。困っていれば話を聞いて助ける。
まさか、俺の力を抑える方法を知っていたとは驚きだけどな。
何処で情報を得たのか知らないが、彼奴の一扇を盗んでまで活用したのは素晴らしい功績。
それ故に“謳櫻”が次の主として選ぶのは蒼い魂を持つ者だと勝手に思っていた。
思っていただけで、実際は、俺の手元にある。
四百年前の“蓮華”ですら、持たなかった一扇。
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