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だが、違ったらしい。 “謳櫻”は、露草ちゃんを主として選らばなかった。 「ー…聖霊界の原理を教えて欲しいね…」 何を、基準で選んでるのかさ。 ランク制とかある訳? 『ま、あまり弄ると雷を浴びるから止めておいて。で、さっきの質問!』 『甘い蜜を吸わせ過ぎたとでも言っておくよ』 四十年という、甘い甘い蜜を老い耄れに吸わせ過ぎた。 その結果、三神帝は派閥が絶えない。老い耄れには、所詮、荷が重かった使命。 三神帝の血を引いていない者が其の場所に立っているのは無礼だ。 「…何時までも、其所で悠長に観賞はルール違反」 飴を与えた分、これからは鞭を味わってもらう。 鼻を高くして見物だけなど俺は許したりしない。素敵な計画に参加してもらう為に、立候補したんだから楽しませてくれなければ、詰まらないだろう。 貴様が、壊れた人形を、狂わせたのだから、罰は、確り、受けてもらわないと、困るんだ。 『蒼い魂から出来た“謳櫻”。中々、風靡ある一扇』 何処からともなく、聞こえてくる蓮華の声。 その、魂の原理が…。 俺は、一番、理解している。 だからこそ、因縁なんだろう。 水鬼帝という水鬼神の家系は、己の内に、獣を飼っている。 制御するのを、やっとで、覚えられるのは、僅かだと言うし、これは、俺が、蓮華だった時代から始まった躾。 上手く、飼い慣らせば、実験の成果も、四百年前に、出ていただろう。 『無理だろう。あれは…一筋縄ではいかない獣故…飼い殺すなんて、もっての他』 確かに、凶暴だ。 直ぐに…。 牙を向けてくる。 「老い耄れ爺には、無理な話」 砕けて、死んでしまう可能性が、高い。 『僕は…経験しているからのぅ』 お互いに、再び、幕を開くとは、予想の範疇だろう。 これは、水鬼神を、生んでしまった“僕”の物語のエピローグに、相応しいかも知れない。

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