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4ー7
最も、俺は、露草ちゃんという水鬼神に、迷いを感じている。
本当に、スポイト一滴の血を、混ぜて良いものかを。
まだ、早すぎるんじゃないかと。
『僕は、混ぜる事を、躊躇なく、行った男ですから…何とも、言えませんが。“隗斗”…同じ、鬼子を、作る者同士、一生…購えないな』
今日は、自棄に、饒舌な気がしてきた。
“血桜”が、血を浴びる姿を見たいのか。
だとすれば、運動がてらに、振るう場所を、設けないと。
「俺は、蓮華の考えに、一理あり。同じ、貌を持つ者同士、長い間、隠してきた能面を、外す日も、近いだろうか…」
どの道、通る道は、蛇の道と、決まっていて。
家族には、内緒で、始める罪の重ね。
『其の心に、揺れ動かされて…見える世界は、なんだろうな』
答えは、紅く、染め上げていく、血に飢えた獣のタンゴあたりだろうか。
殺戮に、ダンスの基本は、当たり前だけど、生憎、タンゴは、苦手だ。
基礎は、出来ていても、タンゴは、情熱的過ぎる。
父様なら、踊るかも知れないが。
軽やかなクラシックが、流れている間に、剣で、瞬殺だろう。
淑女の皆様も、ビックリする速さで、殺していくに、決まっている。
あれで、伊達に、三神帝の嫡男ではない。
サプライズも、解らない者に、殺戮は、無理だと、思っている人だから。
尚更、巧妙な技は、選密された物しか…。
ー…揺さぶられないだろう。
感性に、若干、共感してしまうのは、同じ血が、流れているから。
まぁ…。
父様は、剣を振るう時は、家族を護る為だと、決めているし。
俺みたいな判断はしないのが、大人なんだ。
美食愛好家の様な性格だ。
あれだけは、似ていない気がしてきた。
フレンチレストランで、メインデッシュを、食べている瞬間が、浮かんできた。
場の雰囲気に、馴染んでいるあたりが、父様って、感じがしてきた。
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