用意するなら､それなりに､骨がある者じゃないと､直ぐに､壊れてしまう｡ 壊れない様な頑丈さが無いと､死人が､どっさり､増えてしまうのを､翔也は､知っていた｡ その､処理を考えると､やはり､息子達は､駆り出される｡ 問題は､都霞が｡ 地雷を…｡ 踏まなければ､穏便に済む｡ 『都霞､死にたいの？』 ー…何度か､地雷を踏んでいる｡ あれは､ストレス発散の時に､思わず､失言してしまったのが､原因｡ 何たって､隗坊っちゃまは､寝起きが悪い故に､ストレス具合で､傀儡の扱い方が、違ってくる｡ 段階を…｡ 付けたいくらいに｡ 『その､一､今日は…低い｡レベル的に､戦闘用扇子で､一番打撃ぐらい』 それぐらいのレベルなら…｡ 生きている｡ 愛剣“血桜”を、出さなければ安全だと、断言出来る｡ もう一つは、一扇である『奈落』を､出さなければ､生存率が十パーセントくらいあるという統計の元､壊れない玩具を用意するのは､必要最低限だ｡ 銀莱に､生まれた以上､彼は､主の機嫌を損ねない様に､対応してきた｡ ー…だから｡ 今の位置がある｡ これも､千綵様の温厚さがあっての事です｡ 銀莱一族は､長年、三神帝に、支えてきた｡ 水輝國のシステムを、管理するあたり､彼は､立派な職に､付いたと､思っている｡ それ故に､隗斗の父親である千綵は､尊敬する人物｡ 今の頂点の座に付いている“玄兎様”には､勿体無い､ご息子｡ 蠢いている塵を､掃除する日も､早い気がする｡ この､家に､引き取られた隗坊っちゃまが、動けばの話｡ 『三神帝の頂点に､付いているのも､烏滸がましい』 そう､冷たく､吐き捨てた時の隗斗の瞳を、忘れない｡ 異なる瞳が、氷の様に｡ 絶対零度の域を放っていた｡ あれが､三神帝の頂点に､立つ存在だと、思い知らされる｡