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彼なら、安全に抑え込むだろう。
しかし、黒騎士の隊長に報告しなくっていいの?!
また虐められるよ、都霞。
「さて、覗いてきましょうか」
「あまり煽らないで下さいよ!」
「大丈夫ですよ。捌け口は貴方達じゃありませんから」
そうだといいな。
隗の怒りって恐い部分あるかさ…。
昔より丸くなったと思うけど、刺がある部分も多かれ少なかれって感じだし。
露草に対しても冷たいからな。
前だって議会館を破壊したくらい。
「本当に大丈夫かな?」
「大丈夫じゃないか。翔也様が見に行ったんだし…」
兄さん、悠長に煙草吸いながら話さないでよね。何をそうしたら冷静でいられる訳?
家が崩壊したらどうするの。
「その為に、黒騎士やら十五龍神が居るんだろう。主の怒りを抑えるのも配下についた彼等の役目!」
「そうだけど」
「紅霞は、ある意味で、特別だからな…」
言われてみればそんな感じがするんだよね。隗の怒りを抑えるのは紅霞の役目になっている。仕えているからなんだろうけど、忠誠心あついよな。
主だから、忠誠心は当たり前なんだろうけど、紅霞の場合は、違う気がする。
あの、隗が、黙るくらいだ。
よっぽどの事が無い限り、主が、配下の言葉に、黙るというのは、脅しのネタがあるぐらいだろうか。
しかしながら、隗に対して、弱味があるとは、思えない。
寧ろ、逆でしょう、逆。
隗の方が、脅しのネタを、持っている感じ…。
悪どい笑顔をしていそうだもんな。
ー…隗。
『俺に…弱味を、掴まれた君が悪い』
なんて、言いながら、後ろに、黒い気を、放っていそう。
あくまで、僕のイメージだけど、実際に、黒いから、納得してしまう自分が居る。
ここで、白い隗を、想像したら…。
脳内停止。
露草を、踵落としするくらいが、本人らしい。
我が家の日常茶飯事は、隗が、露草を、貶す事から始まり、最後に、打撃を与えて、一日が終了するというのが、ベスト。
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