51 / 94
5-11
そういったけど、燐夜は、キッチンに立つと、鬼だからな。流石、十五龍神『天龍』の、嫁に行くだけある。
獅天も、棲みに置けない。
あんな美少年は、滅多に居ないだろう。しかも、燐兎の息子ときたら、尚更、大事にしてもらわないと困る。
あの世で、言われそうだ。
『私の、息子を、嫁として貰うのは、何処の誰ですか』
それは…。
十五龍神が一人『天龍帝 蒼都王』の、第一子。
『天龍帝 獅天』。
残念ながら、獅天の母親は、彼を生んだ後、亡くなってしまった。
素晴らしく、実績を残したと、綺麗が教えてくれた。
『私達は、従姉弟となっているが、事実、再従姉弟。隗斗も、知っていると思うが、妾の母は、少しばかり癖があってだな。父との契りも、時間が掛かった伝説を持つ、天龍帝の姫様だ…』
何か、紅霞も、同じ事を、吐いていたな。
『綺麗の母親、綺王は、お見合いを、よく、すっぽかしていたな。しかも、着物の下から、チャイナドレスを着けている強者だよ』
それ、十五龍神で、例えると、地龍あたりか。
アイツ、契りと、聞くと、逃げていく。
何でかと言うと『俺は、一生、独身を、通したい』らしい。
無理だろう。
一応は、貴族のご令嬢達は、狙っている。
何時、お見合い話が回ってきても良い様に、チェックしているんだ。どういったのが、好みなのかを。
そして、嫁になるべく、燐夜が開く、料理教室に通っている。
「女、恐るべし。玉の輿を、狙っているあたり、おしとやかにいようとする…」
ま、それが、普通なんだろうが。
地龍を狙い目にするのは、凄いよ。
金龍は、少し年齢をいっているからな。
「それにしても…」
奈兎が使っていた一扇『謳櫻』。
何時になったら、目覚めて、応えてくれる。
俺では、役不足なのか。
それとも、持っている式役と、相性が合わないとか。
否、俺が、迷っている部分もあるせいだな。
何時でも、ソナタを、迎え入れると言うのに。
契約をするのに、少々、手荒な真似をしてしまうかも知れない。
ともだちにシェアしよう!