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時は、遡り、千と、数百過ぎた年月を、経った時、女性は、三神帝で、生を成し遂げた。 しかし…。 彼女は、三神帝の血筋ながら、少しばかり、人と違っていた。 髪色が、覚醒遺伝なのか、銀色に近い色合いをしていたのだ。が、それを、疎ましく思える者が、居たせいか、月日が経った頃、黒色へと、変えていた。 決して、人前では、本来の髪色には、戻さないと、誓った瞬間。 その頃からだろうか。 蓮華と、顔合わせしたのは。 『ほんま、本来の姿を、見せないのですのぅ』 『三神帝の、御上ともあろう方が、引きこもっている女性(おんな)に、声を掛けるとか、何の…気紛れ?大人しく、鳥籠に、居る事を勧めるわ。蓮華…』 『相変わらず、人を寄せ付けない子よのぅ。僕に、指図するのは、鬼桜しか居ない』 長い金髪が、頬を、掠めていく。 人を、寄せ付けないのは、お互い様だと、彼女は、思った。綺麗な顔立ちをしながら、出てくる科白は、毒を含んでいた。 ー…鬼桜。 懐かしい…。 想い出に、残る人よ。 『随分と…ご執心ですものね。鬼桜は、貴方に。昔から、三神帝に、存在する桜。全てを見てきている唯一無二の存在だわ。私も、少しは、彼を、讃えないと、バチが当たるわね…。この世の、掟に、則り。あ、そうだわ。今度、輸入して欲しい物があるの。それとも、蓮華、貴方が、作る?』 挑発的な発言をする女性。 己が、醜い笑顔を、浮かべているのは解っている。 『僕が、ソナタの為に、作る?あってはならない話よのぅ。気紛れなのは、知っているでしょう。●●●』 『作るわよ。貴方は。蓮華…』 唐突な科白に、驚いた表情をする男性。 『その、保証は、何処かのぅ』 『私が…食べたいのは、バームクーヘンと言うの。何重にも、層になっていて、あまり甘くなく、紅茶が合うデザートよ…』 柱に、手を掛けて、彼を煽った。

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