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【獅天side】
大人しくしてると思えば、会議の話より、露草王の事を考えていたか。
そりゃ、隗の心を擽るだろうな。
あれだけ、恋愛に、線を引いていた主が、再び前向きになってくれたのはいいが。
「本当、自分の嗜好を理解している」
魂が、奈兎様のだと知っている。
隗も、十分に解っているハズ。
「神々に、波紋が走りますね…」
「いや、既に、波紋は走っている。隗め、反対出来ないのを知っていて」
「宣戦布告したな…」
言わずとも解る。露草王を見つめる視線、柔らかかった。
それは、明らかに恋心を抱いている者が向ける瞳。
「駁が、固まっていますが…」
「仕方ないだろう…」
隗の、お心を捕らえた露草王。
駁が固まりたくなる気持ち、存分に解るぞ。なにせ、嗜虐的で、残虐的な主を持っている身だからな。
だが、諦めが、肝心なんだ。
『首輪』と、発言したあたり、あれは…。
三神帝のやり方だろう。
まぁ、その方が、確実なんだろう。
『三神帝 隗斗』とは、そいゆう男だ。
謎が、多い方が、美味しい。
嗜好が、素直過ぎて、解りやすい。
ー…従順に、従っている。
欲求という部分は、我慢しないのがモットーだしな。
それにしても、綺麗が、斑を、弄っている。普段、主の傍で、しっかりしている分、人を、弄るのをしないせいで、斑を、弄りたくって仕方ない。
見ているしか出来ないのは、不甲斐ないが、たまには、付き合ってくれると、俺的には、助かる。
綺麗の場合は、難しい性格をしているからな。
他人を、寄せ付けないオーラは、隗斗譲りだろう。
性格まで、遺伝させやがって。
『俺のせいではないよ』と、返ってきそうだな。
アイツ、その辺は、地獄耳だから。
聞かれていたら、一瞬、ビクッとしてしまう。
殺戮神として、育てられてきて、聴覚が、敏感になってしまった。
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