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紫水晶の双眸が、驚きを隠しきれていない。俺が、追って来るとは思ってなかったらしい。
「やっと、見つけた!」
「走ってきたのか?」
当たり前だ。
逃がす気ないからね。
「急に出て行かれたら、追うのが普通でしょう」
「変な所、見せて、ゴメン…」
「露草ちゃんが、謝る必要ないよ」
露草ちゃんが、悪い訳じゃない。あれは、博識な若い貴族神の不甲斐なさ。
「だって、嫌な呼び方されたら、怒るのは当たり前でしょう?俺だったら、会議滅茶苦茶にしてる」
「ハハッ…」
その空笑いは何?
「議会堂、幾つあっても足りないね…」
そんな、沢山あっても、余計、会議嫌いになる。全部無くなればいいんだ。
ご託並べる輩の、顔を見なくって済む。
如何にも、媚を売ってくる姿を、見ると、つい、手が滑って、消してしまいそうになる。
うっかりしていた理由で、消せるなら、幾らでもやるけど、人口密度が減ったら、問題になるから止めた。
下界では、高齢者が、増えて問題になっているらしいが。
ー…今の時代。
独身生活、満載らしい。
子供を、作らなくってもという考えが、下界らしいと言うか。俺からすれば、考えられないし、未知なる世界。
燐兎が、生きていて、話したら、凄い笑顔で、人類の大切さを、語られる。
アイツ、妃膤との契りを、父様から許し貰う為に、必死だったから、尚更、奈兎の、妹説得が、苛っとしたのだろう。
剣幕な表情をしていた彼を、蹴り飛ばしていた。
懐かし過ぎて、涙が、出てきた。
『というか、三神帝の分家の姫様である『三神帝 雨音(みかみてい あまね)』が、認めるかな。僕達の存在が…疎ましく思っているのに。しかも、実の父親は、私欲を、肥やした男。僕や、奈兎の父親でもある…』
その、真実は、どうにもならないな。
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