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況して、夜神帝 妃奈騎は、若くして、夜神帝を背負う総帥の座に着く。
そんな相手に、相応しい立場でいないといけない。
櫂梛は、その立場を、理解しているのだろうか。
仮にも…。
五大王族である。
『三神帝』『緋神帝』『水鬼帝』『夜神帝』『氷蹄帝』。名ばかりが、轟く、一族。
それは、天界で、噂になる存在である。
ー…特に、三神帝はな。
露草が、一番調べている王族。
謎が多いのと、システムを、管理しているのが、銀莱帝の総帥である翔也と言う事だ。
隗斗に、忠誠を、誓っている分、手強い相手。
故に、頭の回転が、早くって、露草では、付いていけない。
それを、部下として持っているのは、頗る、不機嫌な彼だ。
『隗坊っちゃまは、趣味が趣味なだけに…』
爽やかな笑みを浮かべながら吐いていた翔也。
否、趣味が、問題じゃないのか?
本人に、聞ける訳が無い。
「引きこもりの姫奈騎を、どうやって、夜神帝から、出すのかを、考えろ。軈て、夜神帝を継ぐ身として、顔を出さないのは…ヤバいと、思うんだけど…」
「出そうとはしているんだけどな。アイツ、ご飯も」
頻繁に、夜神帝に通っているのは、彼も知っていた。
ただ、露草は、お目に掛かった事はない。
「…そう」
一瞬、空気が変わった事に、露草は、気付いた。
『ー…出て来ないのは、叔父を、目の前で、殺されたのが原因。姫奈騎はSEDなんだよ。もう、あの、場面は、見たくないだろうね。大好きな人物に、大好きな叔父を…殺されたシーンは…』と、囁いた。
それを、理解するのに、男性は、時間が掛かった。
一体、夜神帝 姫奈騎と、隗斗の関係はと、考えたが、あまり、深く追求してはいけない気がした。
『それが、利口な判断だよ、露草ちゃん…』
にっこりと、笑う隗斗は、これから逢う甥っ子の事を、考えていた。
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