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ー天界・水輝國・三神帝邸・秘密の千華
ひらりひらりと、花弁が、散る中、女性は、水鬼帝を、視ていた。
それを横に、男性も眺めながら、微笑む。
四千年前、出逢いが、最悪だった男の魂を、受け継いだ子孫。だが、彼女が思う様に、彼もまた、闇が薄いと、思っていた。
そんな闇に、惹かれてしまう隗斗は、幼い子供の様だ。
『あれじゃ…謳櫻が、心配するのも無理は無いわね』
『解っているなら、手伝ってやれば良いものを…』
返ってくる言葉は解っている癖して、意地が悪い蓮華。
『嫌よ。水鬼帝に、関わると、ロクな事無いもの。幾年前は、水鬼神を産みたさに、実験を繰り返し。水無という無属性を、作った』
『それは、僕が、覩梦を、愛してしまったから、仕方ない事よのぅ。だが●●●…ソナタも、運命に、翻弄されているんじゃないのかのぅ。昔…』
『…』
『犇々と、伝わってくるよ。魔力が。流石、三神帝の姫君であらされる。僕の出世を、知っていても、無視した唯一の神…』
思わず、相手を、睨む女性。
それは…。
当の昔に、封印した記憶。
誰も、知らない遠い過去の己の姿。
けれど、弟が、目覚めたら…。
あの世の万物も、全て、飲み干してしまうのだろう。
『嫌味?』
『いいや、本当の事を言ったまでだよ。ソナタは、自分の一扇すら見せないからのぅ。少し、意地悪をしてみた…』
『困った、御上です事。少なからず、私にだって、混じっているものね。まぁ、隔世遺伝だし。仕方ないと、自負はするけど…私の一扇は、夢殿に埋まっているわ。隗が、夢殿に…辿り着ければの話だけど』
歴史に、刻まれていれば、何時かは、お目に掛かれる。
“謳櫻”しか知らない私の一扇。
時折、蓮華は、痛い所を付いてくる癖がある。
それは、真実に、辿り着きたいあまりに、自然と、出てくるのであろう。
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