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8ー17
例えば、彼を開かずの間に戻すなら、手段を選んでる場合じゃないのだろう。
だが、頭の回転が、人一倍、早い隗斗なら。
勘付くだろう。
女性が、何を取るのか。
強行手段で、夢殿に、引っ張るというのもアリだ。
過去の自分と、向き合う羽目になるが、取るに足らない事だと、自覚している。
其処で、最新的に何が良いのかと言えば、やはり、堕ちて来てもらわなければいけない。
術を屈指して、誇示付けても、彼女の意に反する。
なら…。
隗、鳥籠を開けてもらわなければ、困る。
術を使って、跪かせるのは、私の美に反するから、やりたくないのが、正直な、気持ち。
『相変わらず、おっかない』
「だって、楽しい事は、楽しまなきゃ損ですわ…」
『ソナタの趣味を疑う…』
「…蓮華に言われたくないわ」
趣味は、お互い様だろう。
三神帝に生まれた以上、背負う重さは、違えど、楽しみ方は、肝に銘じている。
己の嗜好を、理解していて、何が悪いのだろうか。そいゆう、蓮華ですら、エゲつない事を考えているのは、見え見えだ。
術を使って、隗斗をからかおうとしているのは、間違いないだろう。
女性の趣味が、敢えての調味料なら、彼のは、スパイスと言った所。
『で、呼ばれた理由を聞かないのか?●●●』
「聞いて、どうするのよ!どの道、開かれたモノが、閉じるという事は、不可能なのよ。私や、蓮華が、何を願うか…五華は、解るでしょう…」
そうだ。
彼なら…。
解っている。
この、空間に呼んだ時点で、廻り始めた物が、目を覚ます合図なのだと。
でなければ、姿を顕現させてからでも、話し合えば良いだけ。それをしないのは、きっと、三神帝に関わっているから。
目を閉じていても、彼女には、解っている。
何処からともなく聞こえてくる軋む音が、水面に映る波紋に伝わって、耳に入ってきていた。
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