106 / 107

9ー2

【翔也side】 一際目立つ家族。 流石、水輝國五大王族の頂点に立つ『三神帝』。 周りの貴族神達が、見つめてしまうのも解る。あの一族は、一人一人が、目立つ。 軈て、来るであろう主が、加われば、噂の的である家族だ。 隗坊ちゃんと双子の黎斗様は、あの美しさが、貴族の噂。 三男の巫騏様は、中性的な顔立ちをしている。 末っ子の妃膤様は、唯一の女の子で、千綵様が、溺愛している皇女様。本来は、此処に。 -…慧弥様が居れば。 だが、叶わないのは、数カ月前に、一族問題に、関わる事になったから。 -…今、三神帝は。 跡取り問題、真っ盛り中です。 故に、目を付けられたのは『緋神帝』だった。玄兎様の考えは、浅はかだ。 誰を、敵に、回したのか、思い知るべきです。 「で、其処の、女性は」 「えっ、女性…」 千綵様の視線が、暁草に映る。 鳴呼、映えます…。 絵画から出てきた王子様の様です。 それは、服装が、素晴らしいくらいに、千綵様を映えさせている。 金髪の髪に、紫水晶の瞳。普通の女なら、落ちているでしょうね。 「ソナタしか居ないだろう。暁草」 不意に、後ろから声が、聞こえた。 やっと…。 来ましたか、隗様。 「のぉぉぉっ…」 「まったく、自覚無いと、この先、心配だね」 「隗、俺は…」 確かに、心配ですね。 これから、兄と、契りを交わす水鬼帝の次男坊。その形は、正に、美少女。 それは、千綵様が、間違えても、仕方ありません。私の息子、亜拓羅が、仕上げた格好ですから、そこら辺の女に、負ける筈が無いのは、百も承知です。 髪は、隗様、お手製。 今時の流行りに合わせ、ゆるりカール、そして、ふんわりドレスに似合う装飾品。 何処から見ても、女です。 「諦めなよ、似合ってしまっているのは、仕方ないよ。それに」 「ん?」 「脱がせやすい格好だ。翔霞が、喜びそうだ」 「な、ななな…」 遊んでいます。 完全に、隗坊ちゃん、暁草で、鬱憤晴らししていますよ。

ともだちにシェアしよう!