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【翔也side】
一際目立つ家族。
流石、水輝國五大王族の頂点に立つ『三神帝』。
周りの貴族神達が、見つめてしまうのも解る。あの一族は、一人一人が、目立つ。
軈て、来るであろう主が、加われば、噂の的である家族だ。
隗坊ちゃんと双子の黎斗様は、あの美しさが、貴族の噂。
三男の巫騏様は、中性的な顔立ちをしている。
末っ子の妃膤様は、唯一の女の子で、千綵様が、溺愛している皇女様。本来は、此処に。
-…慧弥様が居れば。
だが、叶わないのは、数カ月前に、一族問題に、関わる事になったから。
-…今、三神帝は。
跡取り問題、真っ盛り中です。
故に、目を付けられたのは『緋神帝』だった。玄兎様の考えは、浅はかだ。
誰を、敵に、回したのか、思い知るべきです。
「で、其処の、女性は」
「えっ、女性…」
千綵様の視線が、暁草に映る。
鳴呼、映えます…。
絵画から出てきた王子様の様です。
それは、服装が、素晴らしいくらいに、千綵様を映えさせている。
金髪の髪に、紫水晶の瞳。普通の女なら、落ちているでしょうね。
「ソナタしか居ないだろう。暁草」
不意に、後ろから声が、聞こえた。
やっと…。
来ましたか、隗様。
「のぉぉぉっ…」
「まったく、自覚無いと、この先、心配だね」
「隗、俺は…」
確かに、心配ですね。
これから、兄と、契りを交わす水鬼帝の次男坊。その形は、正に、美少女。
それは、千綵様が、間違えても、仕方ありません。私の息子、亜拓羅が、仕上げた格好ですから、そこら辺の女に、負ける筈が無いのは、百も承知です。
髪は、隗様、お手製。
今時の流行りに合わせ、ゆるりカール、そして、ふんわりドレスに似合う装飾品。
何処から見ても、女です。
「諦めなよ、似合ってしまっているのは、仕方ないよ。それに」
「ん?」
「脱がせやすい格好だ。翔霞が、喜びそうだ」
「な、ななな…」
遊んでいます。
完全に、隗坊ちゃん、暁草で、鬱憤晴らししていますよ。
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