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「なぁ、お前のソレって全然使ってないんだろ?」 「……はい」  露わになった自分の性器を指差して、口角を吊り上げた白川の目には、明らかに情欲の色が浮かんでいる。吐き気をもよおしそうになり、慌てて視線をそらした。 「オナニーとかすんの?」 「しないです。性欲ないんで」 「……へぇ」 (気持ち悪い……)  絶えず注がれる視線を感じて、悪寒が走る。一刻も早くこの場から立ち去りたい。 「お前のその病的なかんじ……たまんねぇよ」 「……まぁ、おれなんて死人と変わらないんで」 「……そうだな。マクラもできねぇホストなんてマジで使えねぇしゴミクズ同然だ。……だがお前にはその顔がある。神に感謝しろよ」 「……はい」 (神に感謝しろだと?笑わせんな……)  自分にとってこの顔がどれだけ疎ましいか、この男に分かるはずもない──そう理解はしていても、状況が状況だけに殺意が湧いてくる。 「やれよ」 「……えっ?」 「オナれっつってんの」 (……は……?)  キレそうになるのを必死で堪え、作りものの笑みを顔に貼りつける。 「ははっ……ムリです。たぶん勃たねーし」 「俺に無理やり犯られんのとどっちがいい?」 「……っ」 (……あぁ……やっぱりあの時ちゃんと死ねてたらよかった……)  心の中に、どす黒い影が落ちていく。抗いようのない現実に自己防衛本能が働いたのか、思考は完全に停止し、気づけば無になっていた。 「ここに座ってしろ」 「……はい」  促されるまま事務机の上に座り、にやつきながら眺めてくる男の前で、躊躇なく脚を開く。股間にぶら下がったそれををやんわりと握り込んでみるものの、普段から入浴時と用を足すときくらいしか触れることのないそこは、やはり一向に反応を示さない。仕方なく、目を閉じて妄想に耽ることにした。

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