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来店1

-蓮side- 今日で約1週間、特に対したお礼も考えてはいなかった。 バイトが終わる時間まで待たせてもらってそれから一緒にご飯にでも付き合ってもらおうと考えていた。 意を決して堂々と店に入るも、受付の男が気づき俺を知っているのか少しぎこちない笑みでいらっしゃいませと頭を下げる。 「いつもお世話になっております。今日は…」 「要って子いるかな?」 言葉に詰まりながらも慌てて男は顔写真の名簿表を出した。 「カナという名前で働いているのですがこちらでお間違えないですか?」 要の顔写真を見せられ”あぁ”と言うと裏にいるやつとコソコソと話をし始めた。 「神藤くん」 暫くして奥から店のオーナーの村田さんが出てきて、先ほどまでいた男が一礼してスッと裏に下がる。 「村田さん、お久しぶりです」 「カナはさっき終えたみたいだから今一人手伝いに向かわせたよ。暫くは動けないと思うが…」 「そうですか。いえ、話すだけなので。どこかで待たせていただいてもいいですか?」 ”わかった”と言われ部屋を案内された。 「少しの間ここで待っていてくれ。…あ、お父さんにまた飲みにでも行こうと伝えてくれ。じゃあ」 思い出したようにドアからひょこっと顔だけ出して頼まれては微笑み会釈すると出ていった。 要はいつになったら来るのだろうか。 動けないということは酷くされたのではないか。 心配だけがひたすら募るばかりだった。
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