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第3話

そして予定を大幅に変更し、お兄さんから貰ったお金で電車を乗り継いで新宿二丁目までやってきた。 電車の中で特にすることもなく、ぼーっと考えていると新宿二丁目って何かで有名じゃなかったっけなぁと思い始めた。 そして友人にLINEを送ってみるとすぐに答えは帰ってきた。 『ゲイタウンだろ』 あぁ、確かにそんな名前でも呼ばれていた気がする…。 何にせよ早く帰るに越したことはない。 用を済ませたらさっさと帰ろう。 * 「ここ…か?」 しばらく街を歩いているとメモに書かれた名前と同じ看板が大きく掲げられていた。 とにかく入ってみようと少し緊張しながら店のドアを開けて入った。 「こんにち、は………」 「あら、いらっしゃい。でもごめんなさい営業時間はまだなの」 店に入ると綺麗な感じの女の人(多分)が作業をしていて、恐らく準備中だったのだろうと分かった。 「あ、そうじゃなくて…これ、どうぞ」 お兄さんから預かった封筒をそのまま渡すと見なくても分かったらしく「ありがとうね」と微笑まれた。 「これ受け取ってちょうだい」 女の人はレジの下から小さい長方形の封筒を取り出して俺に渡してきた。 中を確認すると福沢諭吉が描かれている紙幣が1枚入っていて、慌ててそれを返した。 「あの、大丈夫です!俺もたまたまこっちに用事があっただけなので!じゃあ失礼します!」 こっちに用なんてもちろんないが、資料を届けただけであんな大金受け取れない。 慌てながらお辞儀をして店を飛び出した。 * そして冒頭に戻るわけだ。
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