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第5話

冗談じゃないッ! ここまできたらこの後何をされるか、簡単に想像できてしまう。 「やっ、!はなせって言ってんだろ…ッ!」 ずるずると少しずつ引きずられていく。 もう嫌だ、俺なにしてんだろ…。 そう思うと涙が零れ落ちてきそうになった。 「僕の恋人に何かご用ですか?」 ふと、聞こえてきた声に顔を上げると全く知らない人がチャラ男に声をかけていた。 俺の腕は両腕がそれぞれ2人ずつに掴まれている状態だ。 誰だろうこの人…知ってる人じゃ、ない。 背が高くて清楚なイメージだ。 髪は黒くてとても綺麗に整えられている。 顔はよく見えない…。 「なんだ、もう相手がいたのかよ」 チャラ男の方はそれを知ると「しらけんな〜」とか言いながらパッと腕を離してさっさと街の奥の方へ行ってしまった。 「ごめんね、大丈夫?迷惑じゃなかった?」 「あ、ありがとうございます!」 男の人は、チャラ男が去っていったのを確認すると俺の方を振り返って手を離してくれた。 改めて顔を見ると、めちゃくちゃイケメン。 てか顔整っていすぎな気がする…。 「ここらへんああいうの多いみたいだから気をつけて…って俺も初めてくるようなものなんだけどね」 その人はえへへっと苦笑いをしながら俺に話しかけてくれていた。 「これからどこに行くの?」 「…駅、です」 「俺ももう帰るところだから一緒に行こうか?あ、嫌だったら断ってくれていいからね!」 ここから駅までの道でさっきのようなことが起こるとは言えないけど、ちょっと不安だから一緒に行ってもらいたい…。 「お願い、します…」
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