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第7話

 海は図書室で最終下校時刻まで本を読んで、チャイムの音で席を立った。  窓の外ではいつの間にか雨が降っていて、廊下の窓から外を眺めている宇都宮の隣を通りすがる。その横顔、また痩せた気がする。そうして昇降口を出て校門を抜けると大きな高級車が学校の脇に停まっていた。運転手は、見覚えのある大柄の熊男。ああ、宇都宮はこの車を見ていたのか……。  それは叶わない恋だよ、先生。  もてあそばれていることなんてとっくに気づいているだろう?  悲しいオメガの片思い。  救いは未だ見えず、しかし一人のアルファがそれを見ていた。

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