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※ ※ ※ ※ 「…………」 「…………」 チッ……チッ……チッ…… ライバルグループ【赤イ月】のリーダであり、俺の双子の弟――陽の親友だとぬかした白夜から半ば強引に腕を引き寄せられ、二階の俺の部屋へと入ったものの――いつまでたっても《積もる話し》とやらを話そうともせずベッド(もちろん俺のベッドだ)で悠々自適に腰かけながら地べたに座っている白夜は俺の顔をジッと見つめてくる。 ――部屋の中には規則的なリズムで繰り返し鳴り続ける壁時計の音しか聞こえない。 「な、なあ……白夜――俺に……積もる話しがあるって……何の事だよ?」 「…………」 とうとう、長い長い沈黙からくる途徹もない気まずさに耐えきれず目線を未だにベッドに腰かけたままの白夜へと遠慮がちに向けつつ俺は少し緊張しながら尋ねる。それでも、なおも無言のまま神妙そうな顔つきで俺を見つめてくる白夜の視線を感じ――再び耐えきれない程の気まずさに襲われてしまった俺は今一度……顔を白夜から逸らそうとした。 「……っ……なっ……なにするんだよっ……!?」 「乙哉……お前――本当に……分かってねえの?」 ――ドンッ…… 無言のまま此方へと近づいてくる白夜に僅かばかり不安を感じたものの、その後すぐにニコッと穏やかに笑いかけてきたため――つい、俺は油断してしまった。 まさか、その後――白夜が再び俺の腕を強く引き寄せて、そしてあろう事かベッドの上へと俺の体を押し倒すとは思ってもいなかったのだ。 「そんな鈍感な乙哉には……お仕置き――しないとね?これ、なんだと思う?」 「なっ……なんだもなにも――てめえのスマホじゃねえか……これが一体……どうし……っ……」 ――俺の体の上に乗っかって自由を奪ってきた白夜がスマホの画面を一方的に見せてきた時、俺は本気で血の気が引いて真っ青になってしまう。 そこには――俺と【月野】とのトイレの個室内での卑猥なやり取りを収めた画像がスマホの画面全体にデカデカと写し出されているのだった。
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