32 / 77

お留守番再び

とくに何事もなく午前が明けようとしていた 何をするでもなくポチポチとリモコンを押しテレビをまわしチャンネルを変えた (暇だなぁ…) 幸は右手をベッドにくくられながらボーっとそのままテレビを眺めた 政治がどうとか他国がなんかしてるとか芸能人のどうでもいいニュース 楽しくもなんともないが無音もつらいのでただ流している (もう13時…今日は遅いかも) そう思った時、更科が顔をのぞかせた 「ただいま。いい子にしてた?」 「うん」 「15時には午後がはじまるからそれまでには戻らないといけないが、それまで外してやる」 更科は話しながらオレにつけてる拘束帯を外す なんか技術がいるみたいだけどどう頑張っても外れないからコレって不思議だ 「解放〜ん〜っ」 伸びをし、幸はリラックスした 「腹減ったろ?」 「それなりに?」 動いてないからあまり減らないが不思議なことに空腹感はある 「コンビニのだがパスタ。一緒に食おう」 「やった。パスタ好き」 幸はにこにことベッドの端に座り、更科の用意を待つ 「カルボとミート半分こするか?」 「するっ」 並べられたパスタのうちまずはミートパスタを頬張る 「うまい〜」 「カルボもいけるぞ、ほら」 更科は巻きとったパスタを幸の前に突きつける 幸はなんのためらいもなく口を開けそれを頬張る とても誘拐犯と被害者とは思えない甘い空気感が漂っていた 提供されたパスタを食べ終えくつろぎはじめていたころのこと 「親父の学会さえなきゃなぁ、、はぁ」 でっかい溜息をつき更科は幸の頭を撫で 「あとちょっとで出ないとと思うと気が重い…午後は19時までだからたぶん帰りは20時は確実にまわる」 「え…えーと頑張れ?」 幸はためらいがちに応援した 「夜はうんと可愛がってやるからまたいい子にな」 「ほどほどがいいなぁ。次の日しんどいもん」 「分かった。午前はしなかったようだが別にオナニーしてもいいぞ。ただし縛るから手か足出して」 「しないし。えと、じゃあ…足かな」 幸は足を出し素直に輪に足を通した この拘束にも慣れっこになっている自分が怖い「尿瓶置いとく。しろよ?まあ出てなかったら導尿するが…」 「う…あれはもう勘弁だし」 ははと笑いながら更科は部屋を後にした

ともだちにシェアしよう!