56 / 74

[続編]始まったばかりの恋だから ⑧

「……まぁそれはいいとして。昨日みたいなのはやめてほしいんだけど」 「昨日みたいって、お前またそれかよ」 「またそれって、恭弥全然俺の言いたいこと分かってないんだもん」 「もんとか言うな、気持ち悪い」 「愛を感じないんですけど」  思いっきりジト目で見つめると、恭弥が視線を泳がせて黙り込んだ。  なんですか、それ。そっちも自覚があるってことでいいんですかね。 「恭弥」 「あーもう分かったって! 分かった、酒飲む量は控える、自制する。ちゃんと遅くならないで帰ってくる、これでいいだろ」  なぜか逆切れ気味に言い放った恭弥に、こいつ反省してないよなと確信しながらも、俺はひとまずは納得することにした。  ここでこの発言ということは、多少なりとも悪かったと言う自覚はあるんだろう。  そして何よりこれで、約束は取り付けたわけだ。  となれば、次回破ったらそれは疑いようもなく恭弥の過失である。  うっそりほくそ笑んだ俺に、恭弥が軽く頬をひきつらせていた気がしないでもなかったが、それには気が付かないふりで、にこりと笑いかけてみる。
いいね
笑った
萌えた
切ない
エロい
尊い

ともだちとシェアしよう!