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目が合うと、二人の内の一人が口角を上げてクスっと穏やかに笑う。その顔に思わずドキリと胸がざわついた。 その男の容姿は、癖毛なのか何なのか両サイドの顬辺りから細い毛束がクルリと外向きに跳ねた黒髪で、切れ長な漆黒の瞳。 そして首には南京錠の付いたチョーカーを身につけ、もう夏休みも近いというのに手の甲まで覆った萌え袖の緩いカットソーを着ている。暑くないのか?それとも日焼け防止? そして、まだ今のところ一言も言葉を発していないもう一人の男は、金髪のウルフヘアに茶色のメッシュで、襟足の細い毛束がクルリと両サイド共に外向きへ跳ねている。先程から無言で此方を見詰めてくる瞳には、水晶のように透き通った灰色の虹彩。 二人揃って毛束がクルクルと、まるでゼンマイのように跳ねているのは意味不明だが… その容姿を見て、ある噂を思い出した。 天照高校の裏にある月詠高校には、“ 変な癖毛を持つ美人なヤンキーコンビがいる ”……と、うちのクラスメイトの間で専らの話題になっていた。
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