新着レビュー
物語の世界へかっさらわれて、最後の一行まで目を離せない
天の川が流れる夜空の下で、川沿いにいる蛍売りの老爺。老爺は茶碗に掬った一杯の水を銅貨一枚で売りつける。
飲めば甘い水が全身に行き渡る。
もう一杯、もう一杯と繰り返される動作の中で蘇る思い出。
夜の川原を歩く湿った空気、葉が触れる感触、捕まえた蛍を口に入れる描写が体感的で、自分の身体まで物語の中にあるような錯覚に陥る。見事な表現力だと思う。
主人公とともに茶碗の中を覗き込み、川の水を飲み干して思い出を見る。
思い出から生い立ちを知り、恋を知り、息付く間もなく怒涛の展開へ持っていかれる。
最後の一行は読者に向けられた言葉。気をつけようと思わされた。
ここまで書かせてしまう、310さんの「ほたるうり」の書もすごいパワーをはらんでいる。
「最高の愛」を紡ぐ、おとぎ話
まだ終わっていないのにレビューを書くのもどうかと思ったのですが、書かせて下さいw
まず、既存の話を落とし込んで更にオリジナルとして昇華されているのがスゴいです!
作品をリスペクトしつつ(雰囲気を壊さず)、原作の更に上を行ってるんですよ!
普通おとぎ話って、めでたしめでたしで終わるけど、これはそうじゃない。
本当は怖いグリム童話、みたいな感じかと思ったらそれもなんか違う。
怖い、悲しいだけじゃない、美して残酷な中に「最高の愛」がある。
おとぎ話という完全フィクションだから描けるものがあるんだなと感じました。
本当に素晴らしい短編(中編?)集なのですが、個人的に1番好きなのはマーメイドですね。
涙なしでは語れません、そう締めたか、まじ神!!ですw
それと同じくらいヘンゼルとグレーテルも好きです。素晴らしい意味で期待を裏切ってこれまた涙なしでは語れません!
もちろん、ラプンツェルも現在更新中の花一匁も素晴らしいです♡
長い&支離滅裂なレビューになってしまいましたが、これからの更新も楽しみにしております!

